ソフトのSM入門としてまず他人のSM体験を擬似的に追体験させる…。これが、効果的です。つまり、SM体験をして成功した人も交えて、その話題について話し合うというのが一番です。質問、疑問にも答えてくれるでしょうから。ただ、残念ながら、自分のSM体験を他人を前に話してくれる人などそうざらにいるわけではありません。そこで次善の策としては、市販のSMアダルトビデオを一緒に鑑賞する…というのがあります。
通常のアダルトビデオなら、セックスムードの盛り上げに利用している人も多いでしょうが、SMアダルトビデオとなると、男性が、たった一人密かに見る…というのが一般的なようです。そこで発想を変えて、女性と一緒に鑑賞するのです。この場合、作品、場面の選択が成功の鍵を握っています。
事前に男性側が一人で最初から最後まで見て、女性の気持ちを逆撫でする心配がないかどうか、しっかり「予習」をしておかなければなりません。テープの頭出しを間違えていきなりスピーカーから女性の苦痛の悲鳴が響きわたった…などということは、絶対にないようにしましょう。
いきなりハードSMのビデオを見せられた女性の心理を考えてもみて下さい。恐怖と嫌悪感に凝り固まってしまうこと必定です。そこで、大事なのは、ピンクローターその他のバイブプレイやローションプレイなど、ソフトSMの定番が出ているビデオを選ぶことです。
途中からハードSMに移行するビデオでも大抵、最初か半ばまでは、そうしたソフトなものが多いものです。そこで、その辺だけを選んで、一緒に見るのがよいでしょう。男性としてはもっとハードな場面こそ見所と思えても、そこは我慢して下さい。あくまで女性本位で考えましょう。その際、画面で女性が見事に−−最終的には快感の波に呑まれて気持ちよさそうにイクもの−−を選ぶのが大切です。
そうした場面を見ることで、女性は同性の快楽の全身的表現に思わず自己投射して、あたかも自分がそうしたSM体験をしているかのような錯覚、気分に浸ることになるからです。
それから、画像や音声の質も大切です。女性はホームビデオカメラで撮影したざらついた画質の安易な作りのものには大抵拒絶反応を示します。 プロのカメラを使い、ライティングやアングル、音声にも充分気を使って作られた、あくまでも「芸術的」に美しい場面を選んで下さい。 「SMは暗く、怖い」というイメージを拭い去るために、これはとても大切です。
■ソフトSMアダルトビデオの秀作は意外に少ない
確かに世の中、いわゆるSMビデオは、一生かかっても見切れないほどたくさんあります。まず、「ソフトSMビデオの秀作は意外に少ない」という事実を確認しておきましょう。ところが、SM未体験の女性と一緒に安心して見られるものというのは、私の経験から言うとほとんどありません。特に「ソフトSM体験」という言葉をタイトルや内容紹介に謳っているものは、どちらかというと、コミカルで、明るすぎるムードです。これは、個人的に趣味が大いに分かれるところでしょうが、たとえ「ソフト」とは言え、いやしくも「SM」たるもの、にこにこへらへら笑いながら実行すべきものではないでしょう。
導入部で相手の緊張と心理的抵抗を減らす局面では、多少笑いの要素が入るのは仕方ないでしょうが、その笑いは、女性が、これから到来する未知の体験を前にして、思わず漏らす緊張緩和の笑いであるべきです。ソフトとは言え、SMは真剣勝負が本来の姿です。
■ハードSMビデオは初心者女性には逆効果
ハードSMビデオはどうかと言えば、これは、熟練のSM体験者には大いに参考になるでしょうが、特に「SMは初めて」という人にはハードSMビデオは百害あって一利無しです。
具体的に言うと、ハードSMビデオでよく見られる、女性が泪を流すシーン…あれは特に女性が拒絶反応を示します。
これまで繰り返し書きましたが、女性は他人の目を非常に気にします。相手に取り入る効果を狙って、女性らしさを出すためにハンカチで目頭を押さえる…などというのは、日常よくあることですが、苦痛でぼろぼろ涙を流すシーンなどは、「SMなんて、絶対にいや!」という固定観念を植え付けてしまいます。また、日常的感覚で「汚らしい」という印象を与える場面、例えば、典型的には、浣腸による強制排泄の場面、なども、女性は激しい嫌悪感を抱きます。浣腸まで行かなくても、身体を汚すような行為、例えば、全身に、味噌や蜂蜜などを塗りたくるのは、女性の化粧本能を逆撫でするもので、よくありません。
男性から言えば、「美しいものを汚す」ことがSMの醍醐味の一つと言えるのですが、特に入門者にとっては、あくまで女性の立場で考えなければ、失敗します。また、味噌や蜂蜜など、日常台所や食卓で目に触れ、指で触り、口に入れているものをSMの小道具に使うというのは、最初は避けるべきです。日常とSMという特別な世界の区別がなくなることで、我に返った女性が自己嫌悪に陥ることがあるからです。
肌を汚すということになれば、SMの定番、熱蝋責めの場面も避けた方がいいです。白い肌が次第に赤い熱蝋の滴で覆われていく…というのは、中級以上のSMには不可欠ですが、初心者の女性は決まって、目を背ける場面です。 鞭に打たれて赤く腫れ上がった臀部、縄の後が、縄を解いた後も残っている四肢や乳房…などが、肌の美しさにこの上なく敏感な一般の女性にどんな逆効果を与えてしまうかは、もう強調する必要はないでしょう。
■SMビデオにお勧めの場面は
「あれも駄目、これも駄目…」と駄目駄目尽くしになってしまいましたが、こうしたことからも、いかに巷に溢れるSMビデオがソフトSM初心者に不向きかということがお分かりでしょう。
では、SMビデオは全然役に立たないかというと、そんなことは全然ありません。要は、抜粋的に適した場面だけを見せるようにすればよいのです。
例えば、肌に何かを塗る場面はよくないと言っても、全身にローションを塗っての責めの場面は大抵の女性が抵抗なく受け入れます。それどころか、ライトを浴びて、ローションに光り輝く同性の美しい裸身像にうっとりと夢見心地になるものです。考えて見ればエステなどで、肌やスリム化によいとされるいろいろなローション類を塗られることに慣れているので当然かもしれません。
また、拘束された女性の場面でも、縄やロープで雁字搦めというのには目を背ける女性も、革の拘束具が手首、足首だけ…というのには、抵抗なく見入るようです。これも考えてみれば、ブレースレットやアンクレットで手首、足首に輪状装身具を身に付けることに慣れているためでしょう。
■モザイク入り局部よりは、顔と全身像が効果的
世の中のアダルトビデオでは、カメラが局部ばかりを捉えて、その結果、モザイクばかり見せつけられるという粗悪品が少なくありません。SMビデオも例外ではありません。けれど、女性の目から見ればこれほど、退屈でつまらないものはありません。「あーに?このビデオ!」と呆れられてしまいます。それに対して、顔の表情を克明に追い続けるカメラには思わず引き付けられて画面を食い入るように見るのが普通です。
女性は、誰しも自分がセックスの快楽に溺れている時の自分の表情を自分で見たことがありません。そして、自分のその時の表情、そして声、悶え方が、「普通」なのか、「魅力的」なのか、あるいは「醜い」のか、心の奥ではいつも疑問に思い、不安がっているのです。
ですから、ビデオの画面でモデルの女性達が見せる、その時の表情には非常に強い関心、好奇心を見せます。そこで、普通のAVでなく、SMビデオの場合、そういう場面だけを特に選んで見せるのが一番よいのです。
■イキっぷりのいい場面を
SMビデオを見ていると、モデルと責め方の相性で、モデルが非常に見事なイキっぷりを見せる場面と、イキそうでイカない場面がだらだらと続くものとがあります。「ソフトSMとは、こんなイキ方になるほど、素晴らしいものなんだ」ということを印象付けるのが、初心者にSMビデオを見せる目的の一つ、しかも非常に重要な一つなのですから、イキっぷりのいい場面を選ぶことがとても大切になります。そうでないと、「なーんだ、SMって、結局男が勝手に喜んでいるだけで、女性の方はちっとも気持ちよくなんか、ないんじゃない…」と失望されて、SMに対する興味を失ってしまいます。
女性は、誰でも、「もっと気持ちよくなりたい。他の人はもっと充実したセックスをしているはず…。どうすれば、もっと凄い、失神するほどの絶頂感を得られるのかしら…?」と内心はいつも思っているのです。
ただ、それを口にするのを理性で押さえつけているわけです。ですから、画面で、理性も何もかなぐり捨てて女性が思いきりイキっぱなしになるようなのを見せつけられると、「あんなになれるなら、私も…」と心を動かすようになるのです。
その意味では、いかにも知的で慎ましやかなモデルの方が、いかにも「私セックスだーい好き!」という感じの奔放放恣なモデルよりも、効果は上がります。「あんなにセックスとは無関係…っていう感じの人が、あんなに羽目を外した歓び方をしている…」という意外性によって、見ている女性の抑圧的な理性の重石を取り除いてしまうのです。
顔だけでなく、全身の表情も非常に意味があります。全身像が映るためには、全裸で大きく開脚して、万歳の姿勢を取らせられ、手首と足首だけを革ベルトで拘束された立位が一番です。ベッドの上に仰臥位もよいのですが、身体の背部が全く見えなくなるので、背中の筋や筋肉の撓み、反り具合などが見ている側に伝わってきません。
ハードSMビデオには、空中に吊られたままイカされる場面もよく登場します。これは、身体を覆い隠す部分が全くないという点で、上記の万歳姿勢の立位以上に全身の反応の様子が見えます。(何しろ、足の裏まで、カメラに曝されるのですから) けれども、これは、空中に全裸で吊り上げられるという、余りの非日常性から、目を覆って、見たがらない女性も少なくありません。少し慣れた頃に見せるというのがいいでしょう。
上で、雁字搦めの責めの場面はまずいと書きましたが、それは、全身の細かな反応が縄やロープで隠されてしまうからでもあります。例えば、感じてくるとまず最初に内股辺りの筋肉に、ピクッ、ピクッ…と漣が立ち始めますが、もしそこに縄が何重にも絡み付いていたらその様子が全く見えないことになります。
また、腰回りまで、余りにしっかり固定されていると、昂ぶってきたときの腰回りに沸き上がる無意識の蠢きや、悩ましい張りが押さえつけられてしまうことになります。手足の自由は奪われているのだけれど、ある程度の反り、悶えは美しく表現されている…そんな場面なら、女性は息を詰めて、食い入ることでしょう。また、声も視覚的効果に劣らず大切です。SMビデオの中には、非常に単調な発声するモデルがいます。また、ギャーギャー大げさに喚き散らすのが、感じている表現と思いこんでいる様子のモデルもいます。いずれも、見ている女性は、一般に「私は違う…」と拒絶反応を示します。
平素はしっとりとした、内気な感じなのに、SMによって次第に理性の衣が剥ぎ取られ、思わず呻き声が唇から漏れ出すようになり、最高潮になると、普段のその人となりからは想像もできないような、淫らでいやらしいよがり声を吹き上げる…。そんな場面なら最適です。こういう場面は、モデルが未婚の若い女性より、20代後半から30代位の既婚の女性、つまり、いわゆる人妻もののSMビデオが最も外れが少ないものです。












